グリストラップ清掃の重要性と業者選びのポイントを解説【名古屋の飲食店清掃専門！】

名古屋市で飲食店や厨房のある事業所を開く予定の方は、グリストラップについて名前だけでも聞いたことあるのではないでしょうか。名前は知っていても、本当に必要であるかや清掃については具体的に把握されていない方もいるかと思います。

グリストラップは下水道に油脂やゴミを流さないために必要なもので、国や地方自治体によって設置および清掃が事実上義務付けられています。また、グリストラップを設置しても定期的な清掃を行わないと様々な悪影響を及ぼします。

この記事では、グリストラップ清掃の重要性と、清掃を業者に依頼する場合の選定ポイントを説明していきます。

グリストラップとは？ – 名古屋編

初めに、そもそもグリストラップとは何かという点について解説していきます。名古屋特有の規制もご紹介しますので、名古屋市で飲食店をオープン予定の方は是非グリストラップについての理解を深めていってください。

グリストラップとは何か？

グリストラップとは、飲食店や工場等の厨房で使用される油分分離装置のことです。

グリストラップがあることで排水中の油脂分を捕捉でき、公共の下水道に油脂分が流れ込まないようにする重要な役割を果たしています。油脂分が下水道に流れると排水管の詰まりや悪臭などの原因となるため、グリストラップの設置は欠かせません。

名古屋市内の多くの飲食店では、衛生管理と環境保護の観点からグリストラップが設置されており、定期的にその清掃が求められています。

グリストラップの構造

一般的にグリストラップの構造は、水槽に2つの仕切り板を入れ、縦に3層に分かれる仕組みをしています。各層の役割は下記の表のようになっています。

	役割
1槽目	排水をバスケットに通して、固形物などのゴミを除去する
2槽目	重力で油脂と水の分離させる
3槽目	2槽目で取りきれなかった油脂・汚泥と水をさらに分離させる

グリストラップのサイズや形状は設置場所のスペースや処理が必要な排水量によって異なりますが、一般的には箱形または円筒形の容器でできています。素材はステンレスまたは強化プラスチックが主流です。

グリストラップ清掃の頻度

グリストラップの清掃頻度は、その使用状況や設置環境、規模により大きく異なりますが、一般的には少なくとも月に1回は清掃を行うことが推奨されます。

多く利用されている飲食店や大量の油脂を使用する施設では、週に1回またはそれ以上の頻度で清掃が必要な場合もあります。

表のように汚れやすい部品などは短いスパンで清掃することで、詰まりなどのトラブルも防ぎやすくなるでしょう。

部位	清掃頻度
バスケット	毎日
油脂	1週間に1度
汚泥などの沈殿物	月に1度
トラップ管の内部	2〜3ヶ月に1度

グリストラップ設置に関する法的要件

日本では、グリストラップについては法律による設置義務は明確にはありません。

しかし、国や地方自治体ごとに条例で排水基準が定められており、実質的にグリストラップの設置が必要になる場合が多くあります。

国が定めているものは「建築基準法」「下水道法」「水質汚濁防止法」の3つの法律で、厨房のある施設や飲食向けの法律です。違反した場合、罰則や罰金、さらには営業停止になる恐れもあります。

法律や条例は環境汚染を防ぐためのものであり、実質的にグリストラップの設置は義務付けられていると言えます。

名古屋市の規制と基準

名古屋市では排水基準に関する独自の条例を設けており、飲食店だけでなく工場や病院など多くの施設に対して適用されています。中でもグリストラップの清掃については半年に一度、点検は週に一度行うよう定められています。

（参考：名古屋市公式ウェブサイト）

市および国によって設定された基準を満たすことができない場合、営業許可に影響が出ることもあり得ます。事業者は定期的な清掃を行い、基準を満たすよう注意が必要です。

グリストラップ清掃の重要性

グリストラップ清掃は、単に法令遵守のためだけでなく、長期的に見て厨房機器や排水設備を維持することにも大きく影響します。適切に管理されたグリストラップは、排水系統の詰まりや悪臭の発生を防ぎ、最終的には修繕コストの削減にも繋がるのです。

また、厨房内の衛生状態を保つためには欠かせない作業であり、食品の安全性の向上にも直結します。名古屋市内の事業者にとって、日々の運営をスムーズに行う上で無視できない要素です。

グリストラップ清掃を怠った場合の具体的なリスクを踏まえ、清掃の重要性をご紹介していきます。

一般的な清掃手順

まずはグリストラップ清掃はどのようなことを行っているのか、簡単な流れを説明します。

1槽目：バスケットに溜まったゴミの除去

2槽目：油脂と汚泥の除去

• 水と分離して浮いた油脂を除去する
• 底に溜まった汚泥を除去する

3槽目：油脂と汚泥の除去

• 2槽目で取りきれなかった油脂と汚泥を除去する
• 下水道へ水を排出するトラップ管を清掃する
• 汚れなどの分解用の微生物を充填する

油脂などの汚れを取り除いてなるべく綺麗な水を下水道に流す工程を3段階で行います。槽内の浮いた油脂だけでなく部品や槽に付着した油脂の除去や、取りきれない汚れの分解のための微生物の存在も大切になります。

グリストラップ清掃しないとどうなる？

グリストラップは厨房などで排水される油脂類を捉え、排水管を保護する役割を持っていますが、この機能が低下すると、排水系統全体に悪影響を与えることになります。

グリストラップを定期的に清掃しない場合、下記のような様々な問題が発生するリスクがあります。

排水管の詰まりや破損のリスク

グリストラップが清掃されていないと、蓄積された油脂が固まり、最終的に排水管を詰まらせる原因となります。排水管を詰まらせてしまうと、水の流れを阻害し、場合によっては管が破裂することもあります。

厨房設備や建物自体に重大な損害を与えることに繋がります。

悪臭と害虫の発生

グリストラップの清掃を怠ると発酵や腐敗が進み、悪臭の原因となります。この悪臭は作業環境を悪化させるだけでなく、害虫を引き寄せる要因にもなります。

特に飲食店では、衛生環境を損なう大きな問題です。

環境汚染に繋がる

グリストラップの破損などで油脂が漏れ出てしまうと、水質汚染にも繋がります。地域の生態系に悪影響を与えるため、環境保護の観点からもグリストラップ清掃は非常に重要だと言えます。

経済的損失と修復コストがかかる

グリストラップのメンテナンスを怠ることで詰まりや故障が発生すると、修復に多額のコストが生じます。場合によっては、高額な修理費用や長期間の営業停止による損失も発生してしまう恐れがあります。

業者に頼らないDIYでの清掃はできる？

グリストラップ全体の清掃は、DIYでも可能です。

1槽目はバスケットのゴミを除去するだけの比較的簡単な作業であるのと、毎日の清掃が望ましい箇所のため、個人で清掃することが適切と言えるでしょう。

しかし2槽目、3槽目の清掃となると、適切な清掃知識と道具が必要になります。油脂の除去など清掃の規模も1槽目より遥かに大きいです。

グリストラップの全ての槽の清掃は個人でも可能ですが、事前準備と多大な労力を要します。加えて清掃で発生したゴミも産業廃棄物となり専門業者のみ取り扱えることも踏まえてDIYの検討すると良いでしょう。

グリストラップ清掃はプロに任せると良い

グリストラップの1槽目の清掃は個人で行う場合でも、定期的に2槽目以降の清掃と合わせてプロの業者に依頼することをお勧めします。

プロに依頼することで不意のトラブルや清掃不足を防ぎ、グリストラップの機能を常に最適な状態に保つことが可能です。経済的なリスクを軽減でき、厨房内の衛生状態も向上させる効果が期待できます。

結果的にDIYよりも排水基準を継続的にクリアでき法令も遵守できるため、プロへの依頼は長期的に見ても必要に足るものと言えます。

名古屋でのグリストラップ清掃業者の選び方

グリストラップ清掃を業者に依頼しようとしても、たくさんの業者が存在するのでどこを選べばよいか悩んでしまうかもしれません。

名古屋市でグリストラップ清掃業者の選び方をご紹介しますので参考にしてみてください。

信頼できる清掃業者の条件

まずはじめに、信頼できる清掃業者の条件に合った業者を選びましょう。具体的には以下の条件がなるべく多く揃っている業者がお勧めです。

• 産業廃棄物処理業の許可を持っている
• 過去の実績が確認できる
• スタッフの定期的な研修を実施している
• 口コミで悪評が少ない

産業廃棄物処理業の許可を持っている

業者を確認する際は、産業廃棄物処理業者であるかを調べてみましょう。

グリストラップ清掃で発生した油脂や汚泥は産業廃棄物となります。産業廃棄物は産業廃棄物処理業という行政の許可を取得した業者でないと処理できません。

また、特別な審査を通過し「優良認定」を受けている業者もあります。産業廃棄物処理業者の中でも優良認定がある業者ほど信頼性が高いと言えます。

過去の実績が確認できる

グリストラップ清掃業者のWebサイトやSNS等で過去の実績が公表されているかも信頼できる業者を選ぶポイントになります。

地方自治体との契約実績があれば行政の信頼を得ている業者と判断でき、個人で依頼する場合にも信用できると言えるでしょう。

スタッフの定期的な研修を実施している

過去の実績同様に、スタッフの定期的な研修を行っていると分かる業者も技術的に信頼できると判断できます。

口コミで悪評が少ない

過去の実績や研修実施を公表していることも重要ですが、やはり実際にサービスを受けた側の口コミも欠かせません。

口コミも参考にすることで依頼前の想定と実際の清掃満足度の乖離を防ぐことができます。名古屋の地元の清掃業者で実績が確認しづらい場合でも、口コミで情報収集することも可能です。

業者選定時のポイント

グリストラップ清掃業者を選定する際には、複数業者から相見積もりを取ることが重要です。サービスの詳細や料金を比較でき、慎重に業者を選定することができます。

また、急を要する場合の対応時間や、アフターサービスの充実度、使用する消耗品や清掃機器の質もチェックしておくと良いでしょう。

まとめ：グリストラップ清掃は清掃業者に依頼して綺麗を保とう

名古屋市では定期的にグリストラップ清掃を求められています。国の定めた法律によってグリストラップ設置は実質的に義務と言えるため、飲食店などの事業者は必ずと言って良いほどグリストラップ清掃を行うことになるでしょう。

グリストラップ清掃は個人で行うにはとても負担のかかる作業です。清掃業者に依頼することで事業者の負担を軽減し綺麗な状態を保つことができます。

清掃業者へ依頼するか悩まれている方は是非この記事を参考に検討してみてください。